ストーリー
嵐により一軒のモーテルに閉じ込められた11人。極限の状況下、一人、また一人と惨殺され始める。残された誰もが疑心暗鬼になる中、彼らにある共通点があったことが判明する。一方、時を同じくして死刑を直前に控えた猟奇殺人鬼の再審理が行われていた。その彼にも同じ共通点が・・・。二つの事件が一つに繋がった時、想像を絶する衝撃のラストが待っていた!
監督 ジェームズ・マンゴールド
※ネタバレあり
↓
再度鑑賞。
一度観ているので色々細かい部分を見ていましたが、これは騙されるよな~と思ってみてました(笑)
このアイデンティティーという作品は、死刑判決が下っていた殺人鬼マルコムには解離性同一性障害であることが判明し、再審理されることに。殺人鬼の人格達が一つの人格になろうとして一つの場所に集められます(殺人鬼の頭の中で)。人格の統合作業ですね。現実と殺人鬼の頭の中というシーンで交互に進んでいきます。見せ方が上手くよくできているなと思いますね。
最初はマルコムの頭の中だと分かりません。11人の男女も別人格だとは思わなかったのですが、途中でマルコムの頭の中で別人格だと分かります。
平行して物語は進んでいき、カウントダウンのキータグ、死体が消える、誕生日がすべて同じという謎。殺人を行った人格探し。一人ずつ殺されていくというシチュエーションはミステリーでありサスペンスありとちょっと複雑な部分もありますがとても楽しめる作品だと思います。
で、真犯人について。
嵐のせいで道路が寸断されモーテルに閉じ込められた男女11人が一人ずつ殺されていくわけですが、犯人はティミーという子供でした。この犯人は中々分からないのではないかなと。
怪しいところはあるんですけど、他に犯人だと思われる怪しい人物がいるのでまさか、子供が犯人だろうなんてあまり思いません。しかもティミーは爆発に巻き込まれて途中で死んだことになっています(ミスリード)。
しかし、本当は生きていて最後に残った人格を殺す機会を狙っていました。
自分が消されたくなかったからでしょう。そして、現実でもその影響が出ることになります…。
戦いの果てに穏やかな人格パリスが残り死刑は取り消されパトカーで移送中のマルコムに異変が生じ運転手を殺してしまうというラストに。これはティミーの人格がパリスを殺してしまったからだと思います。
この展開はまさかのまさかで驚きでした!ティミーが犯人でしかも自分で殺していたという。
後、やっぱり面白かったのは犯人が誰かというところと真実ですね。一度観た後で伏線探しをするのは楽しかったです。どんでん返し系は一度分かってしまうと初回のインパクトがどうしても薄れてしまうので今度は伏線探しなど細かい部分を探しながら観ると楽しめると思います。
そこで、今回は伏線探しでよく見てみると…最初のテープレコーダー、最初に殺される女優のところで女優の部屋の窓に実はティミーが映っていたりとか…。ティミーが不自然な動きしてるとか。全ての伏線は分からなかったんですが考察サイトも見て見返してみると、なるほどなーという感じでした。とりあえずティミー強し。
ちなみに他の考察サイトで見かけたんですが、何故子供を犯人にしたのかという理由は監督がコメントしているようです。
“ポイントは「実は子供が犯人だ」ではなく、「ずっと間違った人格を追っていたこと」だ。マルコムの別の人格を消して安心していた。この痛々しい殺人犯の中に潜む、悪意、怒り、敵意、孤独感は、どの大人の人格でもなく、悲しい子供の人格の中にあった。”
脚本のマイケル・クーニーのコメンタリー。
“ただ恐怖感をあおるためのひねりじゃない。無垢な少年が悪魔だったというオチじゃない。もう少し深い理由があるんだ。多くの人格が作り出されたが、元の人格は「虐待された少年」だ。すべての元になっているのは少年(ティミー)なんだ。少年がすべての人格を作りだした。だから彼を殺人鬼に選んだ。彼は自分以外の人格が現実じゃないと認識していたかも。だから、自分が生き残るために次々と殺していったんだ。”
[1回]
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