監督 クリント・イーストウッド
ストーリー
イーストウッド演じるアール・ストーンは80代の男。家族と別れ、孤独で金もない彼に、事業差し押さえの危機が迫っていた。そんな時に、ある仕事が舞い込む。ただ車を運転すればいいだけの訳もない話だ。しかしアールが引き受けてしまったのは、実はメキシコの麻薬カルテルの“運び屋”だった。たとえ金銭的な問題は解決しても、そうとは知らずに犯してしまった過去の過ちが、アールに重くのしかかってくる。捜査当局やカルテルの手が伸びてくる中、はたして自らの過ちを正す時間は彼に残されているのか。
※ネタバレあり!
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笑いあり感動ありの作品でした!クリント・イーストウッドは人間ドラマ作るの本当にうまいと思います。にしても、本人90歳になるみたいですが自分自身が作品に出てこれだけの作品を作れるのは凄いと思います。
主人公アールが人間味あふれていてとても魅力のある人物でした。
仕事ばかりで家族はほったらかし。記念日や娘の結婚式にもこない。そのせいで家族からは愛想をつかされ娘とは疎遠になってしまうという人物なんですが…。
自分の農園と自宅を差し押さえられ仕事を失ったアールは麻薬の運び屋になってしまいます。
麻薬組織とかやばそうな奴らの仕事して大丈夫かな、物騒なことにならないかなと思いましたが全くそういうのは起らず、監視されながらもカントリーミュージック流して歌いながらのんびりな感じで運んでいるシーンがちょっと笑えてしまいます。
監視の命令も無視し自由に寄り道したり人助けをしたりなどしますが、運び屋としての仕事はきっちりするのでなんだかんだでお咎めなし。麻薬組織のボスからも気にいられます。
凄くマイペースで大胆なアールの行動に麻薬組織の人間が振り回されるぐらいでアールという人間は面白いです。
しかし、後半で今までのボスが殺され新しいボスが変わったことで自由も許されなくなりました。指示を守らなければ殺すと脅されたアールでしたが、仕事中にアールの妻が倒れてしまいます。帰ってきてくれと言われましたがアールは一瞬仕事があるからと断りますが、また家族をないがしろにするという過ちを犯してしまうことに気付いたアールは命の危険がありながらも妻のと家族のところに帰ります。家族とも仲直りしたアールはまた運び屋の仕事に戻りますがボスは殺せと組織の男達に命じます。しかし、アールの妻の葬儀だと知った男達はそれならしょうがないし優秀なので殺さないでおこうという結果になります。
ちょいちょい出てくる麻薬組織の男達はなんだかんだで皆アールに優しいのが良いなと思いましたw
運び屋の仕事に戻ったアールはついに警察に捕まります。
裁判でアールは自分から罪を認め有罪だと主張し刑務所にはいります。
「時間が大切なんだ、何でも買えるのに時間だけは買えなかった」という台詞を娘たちに向けて言います。刑務所でアールが土いじりをしている様子とデイリリーが咲いている花壇をうつしながら終わります。
印象深い台詞があったのでちょいとのっけときます。
麻薬組織の若者にアールはアドバイスする台詞。
「自分のやりたいことをしろ。お金はあるのに時間だけは買えなかった。人生を楽しめ 俺みたいに」
アールを捕まえた警察官
この警察官は捕まる前に一度アールと話をしています。その時はアールが運び屋だとは気付いていません。逮捕するまで気付きませんでしたが。このシーンでアールの正体がばれないかちょっとヒヤリとしましたw
「俺みたいになるんじゃないぞ。もっとも大事なものをないがしろにして、俺は仕事を優先した」
どれも印象深い台詞でした。
自分が経験したこと、過ちだったことに気付いたからこその言葉だなと思いました。
最終的に家族との絆を取り戻せたことは良かったと思います。
そして、罪は罪として認めてちゃんと刑務所に入るというラストも。
重すぎず軽すぎず、ちょっと笑いあり、しっかりとした人間ドラマありのとても良い作品だと思いました。
[1回]
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