ストーリー
サラリーマンのじゅんが仕事を終えて帰宅すると、玄関で妻のちえが口から血を流して倒れていた!動転するじゅんだが、「ククク……」と笑うちえの傍らにはケチャップ。ちえは死んだふりをしていたのだ。それからというもの、家に帰ると必ず死んだふりをするようになった。ある時は、ワニに喰われ、ある時は銃で撃たれ、またある時は頭で矢が射抜かれ……次第にエスカレートしてゆく‘死んだふり’。最初は呆れるじゅんだったが、何を聞いても「月が綺麗ですね」と笑うだけのちえにだんだん不安を覚え始める。寂しいだけなのか、何かのSOSのサインなのか――。ちえの謎の行動には、秘密があった
監督 李闘士男
ちょっと気になっていて、これもネトフリで配信されていたので観てみました!
感想としては夫婦のあり方を考えさせられるなあと思いました。
そういう言葉がちょくちょく映画の中で出てきます。
・お互いの事は、日常生活で、少しずつ知って行けば良い
夫婦といえど、相手のことを完全に理解することはできないんですよね。結局他人同士ですしね。究極的にいえば家族だって他人になるし、完全に理解し合うことはないと私は思っています。だから、少しずつ知っていけばいいという言葉は、ああそうかあと思いました。ちょっと気が楽になるというか。最初から全てを知る必要はないんだなと。
・夫婦は毎日一緒にいるから、そんなに頑張らなくていいんです
これもなるほどなと思いました。
私が頑張らないと、やらないとって気負うことが自分の中では多いので心に刺さりましたね。
家事も仕事もやってるといっぱいになって心に余裕がなくなっていくんですよね。相手が何もしてくれないと、どうして私はこんなに頑張ってるのに何もしてくれないんだろうとそ思ってしまいます。それで喧嘩になったり。でも、それは一人で勝手に頑張って相手に頼らないからなんですけどね。心の余裕大事です。ほんと。夫婦なら話し合って協力しあえる関係が理想ですね。
・月が綺麗ですね
夏目漱石が"I LOVE YOU"を月が綺麗ですねと訳したそうです。
ちえがじゅんに対して言う言葉なんですが、凄く文学的でロマンチックだなと感じました。
でも、最初は意味が分かりませんでしたw
調べたらそういう意味だそうで、普通は言わないよなあと思いましたけどw
・優しい言葉は他人を傷つけるから、あんまり好きじゃないんです
ちょっとハッとさせられました。優しい言葉って大体はいいけど、それが逆に傷つける場合もあるんだなと。私も知らず知らずの内に相手を傷つけてしまってるかもしれないかもとか思いましたけど、言葉って難しい…。
<面白かったところ>
ちえの死んだふりのバリエーションが豊富。
これは結構面白いなあと思って見てましたwバリエーションが豊富でよく考えるなと思いましたね。再現度が凄い(笑)
でも突然死んだふりされたら、どうしたの?って思うし、その理由を聞いてもはぐらかして言わないのは私だったらイラッとしちゃうかなー。
何で?って思うし不安になるし、何かしたのか、あったのかなって思っちゃいますもん。
まあ、結局理由は分からず観ている人が考えてくださいみたいに終わってしまうんですけど。
ただ、ちえの両親の話で幼い時に母親が死んでしまい、父親を元気づけようとかくれんぼをして元気づけようとしていたというエピソードがあったので、じゅんに対して死んだふりをしたのはじゅんを元気づけようとしたのかなと自分は思いました。
それと、愛情確認みたいな。
結婚生活の節目だったし、ちえは月が綺麗ですねと言ってるけどじゅんは不安だったわけで。(でも、いきなり死んだふりされたり月が綺麗ですねなんて言われても知らなければ意味不明だし不安になりますw)
そして、夫婦のありかたは色々あって人それぞれだということ。
じゅんの同僚夫婦は結婚していたけど奥さんは不妊で悩んでいて、旦那は結婚は人生の墓場とか言ってて、この夫婦は最終的に別れてしまうんですがこんな形の夫婦もあるんだよというエピソードがあり、ちえみたいな夫婦もいて、夫婦であることはどういうことだろうなと思いました。
私は結婚しているので、ちょっと考えさせられました。
自分なりの答えとしては夫婦であることは相手のことを知る生活なのかなと思います。
相手のことを知って、嫌な部分も好きな部分も知った上で相手を愛する。それが本当の愛情かなと思います。愛情を確かめ合うことでもあり、一緒に喜んだり、笑ったり、怒ったり、悲しんだり、そういうことをお互いに分かち合いながら生きていく相手が夫婦という形なのかな
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